この記事の結論

  • 見つけた巣には近づかず、刺激しないことが最優先です。判断の材料は離れた位置から目で見るだけで集めます。
  • 放置してよいかは、蜂の種類・巣の形と大きさ・できている場所・今の季節の四つを組み合わせて判断します。
  • 日常生活に支障がなく、人があまり近付かない場所なら、そっと見守るという選び方もできます。
  • 玄関まわりなど毎日通る場所にある場合や、スズメバチの巣の可能性がある場合は、早めに専門業者へご相談ください。
  • 自分では判別できないときは、分からないまま見守らず、写真や電話で状況を伝えて相談してください。

蜂の巣を見つけたとき、どの公的な案内にも共通しているのは、巣に近づかないこと、刺激を与えないことの二つです。そのうえで、日常生活に支障がなく人が近付かない場所にできた巣であれば、駆除せずそっと見守るよう案内している自治体もあります。一方で、蜂に刺されるとアナフィラキシーショックを起こし死亡することがあり、軽く見てよい相手ではありません。放置してよいかどうかは、巣そのものを見て決めるのではなく、種類・見た目・場所・季節という四つの手がかりを合わせて決めます。近づかずに集められる材料だけで、その判断はできます。

まず結論:そのままにしてよい巣と、今すぐ相談したい巣

そのままにしてよいのは、暮らしに支障が出ておらず、ふだん人が寄りつかない位置にできた巣です。蜂は毛虫などを食べる益虫でもあるため、そうした巣なら駆除しないまま様子を見る形でもかまいません。逆に、玄関先や人通りの多い道のそばなど、気づかないうちに刺激してしまう位置にある巣は、早めに動く側です。

ただし、この見守りという選び方は、全国どこでも同じ基準で示されているものではありません。スズメバチの巣を見守りの対象に含める自治体もあれば、近づかず相談するよう案内する自治体もあり、地域によって幅があります。

どちらに転んでも変わらないのは、巣に近づかない、刺激しないという点です。刺されると強いアレルギー反応が短い時間で起き、命を落とすこともあります。そのままにしておくというのは、近づかずに済む状態を保つという意味で、気にしなくてよいということではありません。巣の大きさが何センチなら安全、といった数値で線を引く考え方も取りません。

巣に近づかずに、判断の材料を集める

判断に必要な材料は、巣から離れた位置に立ったままでも集められます。巣に触って確かめる必要はなく、触れること自体が刺される原因になります。服装や匂いも刺されやすさに関わるため、黒い服や香りの強いものを避けてから、見るべきものを一つずつ確かめれば十分です。

見つけた直後にやめておくこと

最初に決めることは一つだけで、巣に近づかない、刺激を与えないことです。巣を直接刺激したり破損させたりすると、巣の中から多くの蜂が一斉に飛び出し、威嚇なしにいきなり飛びかかってきます。棒でつつく、水をかける、揺らして確かめるといった行為は、そのきっかけになります。

すでに蜂が近くを飛んでいる場合は、その場から静かに離れてください。帽子などで頭を隠し、低い姿勢のまま、暴れずに静かに離れるのがよいとされています。頭は黒く見えるため、隠しておくと安心です。巣の近くへ出るときは、黒い服や匂いの強いものを避けておきましょう。

離れた場所から、どの順番で何を見るか

見るのは、巣の形、できている場所、蜂の出入りの三つです。この三つがそろえば、種類と今の段階、急ぎ具合の見当が付きます。

順番としては、まず巣の形を見ます。とっくりを逆さにしたような形か、丸いボール状か、下から部屋の一つ一つが見えるシャワーヘッドのような形か。その巣が家のどのあたりにあるかを確かめます。人が毎日通る場所なのか、めったに近づかない場所なのかで、その後の判断が変わります。蜂が出入りしているかどうかを見ます。

いずれも、離れた位置から目で見るだけにとどめてください。巣に触れて確かめる必要はありませんし、近くで巣をじっと見つめる行為も避けたいところです。窓越しや室内から見える位置であれば、そこから見るだけで構いません。

蜂が出入りしているかどうかを遠くから見る

蜂が出入りしているかどうかは、離れた位置からしばらく巣のあたりを眺めていれば分かります。出入りが見えるなら、巣の中に蜂がいる前提で扱ってください。

時期による目安もあります。スズメバチは10月頃に新女王とオスが交配し、受精した新女王だけが巣を離れて越冬体制に入り、残りの蜂は死んでしまうため、11月後半には巣の中が空になると説明されています。ただし、出入りが見えないからといって巣が空だと言い切れるものではありません。確かめようとしてつついたり、取り外そうとしたりはせず、判断がつかないときは近づかないままにしておいてください。

巣と蜂の見た目から、種類と段階を読む

巣の形は、種類と今の段階を読むための分かりやすい手がかりです。飛んでいる蜂を見分けるより、巣の形で判断するほうが簡単だとされています。近づかずに見るだけでも手がかりになります。形と、それが作られる時期を合わせて考えると、目の前の巣がどの段階にあるのかが見えてきます。

スズメバチかどうかで判断が大きく変わる

判断が大きく分かれるのは、その巣がスズメバチのものかどうかです。蜂の中でも攻撃性が強いのがスズメバチで、刺されると危険な状態に陥ることもあります。見分けの手がかりとして、スズメバチは屋根裏や高い軒先、生垣などに、縞模様のボール状の巣を作ります。こうした巣に心当たりがあるときは、ご自身で駆除せず、お住まいの自治体か専門業者へご相談ください。

一方、スズメバチ以外の蜂は比較的攻撃性が低いとされ、人が近付かない場所にある巣なら、そのままにしておくこともできます。ここが、対応を大きく分ける境目です。

ただし、スズメバチ以外なら安心というわけではありません。ほかの蜂も人を刺すことに変わりはなく、巣に振動などの刺激が加われば、多くの蜂が一斉に飛び出してきます。見つけた直後にどこまで離れておけばよいかは、スズメバチの巣を見つけたときの近づかない範囲の決め方で詳しく説明しています。

作りはじめの巣の形と、作られる時期

作りはじめの巣は、形で見分けられます。スズメバチの初期の巣は、とっくりをひっくり返したような形で、球形の部分に長い筒状の出入口が付いています。アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形で、下から見ると六角形の部屋の一つ一つが見えます。

この時期の巣は、冬眠から覚めた女王バチが一匹で作り始めたものです。目黒区の資料では4月下旬頃から、品川区の資料では5月頃とされており、春先から初夏にかけて見かけることになります。スズメバチの巣はその後、筒状の部分が取れて徐々に丸いボール状へと変わり、秋口にはバレーボールほどの大きさになることがあります。

ここまでの形と時期が分かれば十分で、大きさを確かめるために近づく必要はありません。

土や木の穴など、形の違う巣もある

とっくり型にもシャワーヘッド型にも当てはまらない巣を見かけることがあります。土でできた巣や、木材に開いた穴のような巣は、ここで説明した形とは別のものです。

その場合、無理に見分けようとしないでください。見分けるために近づくこと自体が刺傷の危険につながりますし、種類が分からないまま様子を見続けるのもお勧めいたしません。近づかないままにして、専門業者へ相談するか、その巣に合った情報を確認するほうが確実です。

大きさは「今どの段階か」を読む材料

巣の大きさは、その巣が今どの段階にあるかを読むための材料です。球形になった巣がソフトボール大を超えて育っているなら、働きバチが増えている段階に入っていると考えられます。

実際にうかがった現場でも、名古屋市の戸建てでは屋根のひさし部分に直径約30センチの巣、世田谷区の戸建てでは直径約20センチの巣を駆除しました。

ただし、ここで読み取れるのは今の段階だけです。何センチなら自分で取れるという判断に使える数字ではありませんので、蜂の巣を自分で駆除してよいかを種類・場所・状況から決める考え方をまとめた記事もあわせてご覧ください。

小さいからそのままでよい、とは限らない

巣が小さいことは、そのままでよい理由にはなりません。今回確認した公的機関の案内では、何センチまでなら自分で対処してよいという大きさの基準は見当たりませんでした。

示されているのは、蜂の種類、時期、どこにできているか、そして自分の手に負えるかどうかという判断です。小さい巣でも生活動線上にあれば早めに動いたほうがよく、大きくても人が近付かない場所なら見守れることがあります。大きさだけで決めないでください。

どこにできているかで、急ぎ具合が変わる

同じ巣でも、どこにできているかで急ぎ具合は変わります。複数の自治体が見守りの条件に挙げているのは、日常生活に支障がないこと、人があまり近付かない場所にあることの二点です。ここが、四つの手がかりの中でもっとも判断を左右します。

人が普段近づかない場所かどうか

庭の奥や物置の裏、家の裏手の高い位置など、普段だれも近づかない場所にある巣なら、刺される心配は比較的少なくなります。日々の暮らしに支障が出ていないのであれば、無理に取り除かず、そのままにしておいて差し支えありません。

判断するときは、自分の行動だけでなく、家族が庭に出る動線、宅配の方や検針の方が通る場所、草刈りや掃除でその付近に立ち入る機会まで思い出してみてください。年に数回しか通らない場所と、毎日通る場所では扱いが変わります。

なお、その巣が隣家との境や道路に面している場合は、自分の生活だけで判断しきれません。そうした位置にある巣は、見守り側ではなく相談側として考えておくほうが無難です。

家族やペットが毎日通る場所のとき

玄関先や通路など、家族が毎日行き来する場所や人通りの多い道のそばにある巣は、知らないうちに刺激してしまうため、見守りではなく駆除を考える側です。

当社にご相談いただいた方からも、家の軒下を蜂が何匹も飛んでいて玄関からも近い場所だったので家族が刺されないか心配になった、小さい子どもがいるので庭に出たときに刺されないか心配だった、というお声をいただいています。その下を毎日通る、洗濯物を干す、子どもやペットが遊ぶ。こうした場所にある巣は、ほかの条件がそろっていても見守り側には置きません。子供がいるご家庭での急ぎ具合の決め方は、子供がいる家で蜂の巣の駆除をどれくらい急ぐかで詳しく説明しています。

また、建物が周囲に危険を及ぼしている場合、その所有者または占有者が損害賠償責任を負うことがあり、近隣の方から危険の除去、つまり巣の除去を求められることもあると解説されています。自分の家族だけの問題にとどまらない位置にあるかどうかも、見ておきたいところです。

巣が見えない場所・設備のそばのとき

巣そのものが見えないときは、形も大きさも確かめられないため、四つの手がかりがそろいません。天井や壁、換気口のあたりから蜂が出てくるときは、点検口や壁をご自身で開けて確かめず、専門業者に見てもらってください。

また、高い位置にある巣は、状況を判断する材料になる写真そのものが撮りにくいこともあります。当社はそうした巣もお引き受けしていますので、うまく撮れない場合は電話やお問い合わせフォームから状況をお伝えいただければ大丈夫です。無理に見える位置まで近づく必要はありません。こうした場所での詳しい確かめ方は、屋根裏にスズメバチの巣がありそうなとき、開ける前に確かめることにまとめています。

今の季節から、この先の変化を見込む

今の巣がこの先どう変わるかは、季節からある程度分かります。巣の形・大きさ・蜂の数は、月ごとにおおよその段階が決まっており、今の巣が一年のどの段階かが分かります。巣の段階を細かく見込む考え方は、スズメバチの活動時期を月より巣の段階で見る記事で確かめられます。

巣は季節とともにどう変わっていくか

スズメバチの巣は、月ごとに段階を追って変わっていきます。4月下旬から5月にかけて、冬眠から覚めた女王バチが巣作りと子育てを始め、この時期はとっくり型の巣です。5月中旬から6月頃までは、女王バチが1匹で活動している段階にあたります。

6月から7月頃になると、羽化した働きバチが増えはじめ、巣は球状になってソフトボール大ぐらいまで育ちます。7月以降は管のような部分が取れてほぼ球形になり、縞模様が出てきます。8月から9月頃が活動のもっとも盛んな時期で、働きバチは数百匹、巣もバレーボールからバスケットボール大まで大きくなります。

アシナガバチも、働きバチが生まれたあと7月から8月にかけて最盛期を迎え、働きバチの数は数十匹以上になります。今見ている巣の形と、見つけた時期を照らし合わせれば、この巣が一年のどのあたりにいて、この先どちらへ向かうのかが見えてきます。

巣が育つ夏から秋がいちばん危ない

もっとも注意が必要なのは、巣が発達して蜂の数が多くなる時期です。刺される一番危険な時期は巣が最も発達し蜂の数が多い時期で、アシナガバチは7月から8月、スズメバチは7月から10月とされています。

この時期は、働きバチが数百匹規模になる段階と重なります。同じ場所にある同じ巣でも、春に見つけたときと真夏に見つけたときでは、置かれている状況が違うということです。

夏から秋にかけて巣を見つけた場合は、見守れる条件にあてはまるかどうかを、より慎重に見てください。人が近付く場所にあるなら、季節を待たずに相談へ回すほうが安全です。

待っていれば蜂はいなくなるのか

スズメバチについては、待っていればいなくなります。秋の終わりには新女王を残して蜂が死に、巣は空になるからです。

つまり、秋までを無事にやり過ごせるなら、その巣の蜂はやがて姿を消します。見守るという選び方が成り立つのも、この流れがあるためです。

ただし、いなくなるまでの間に、蜂の数がもっとも多くなる時期を通過します。いなくなるから何もしなくてよい、という話にはなりません。人が近付く場所にある巣を、夏を越すまで待つのは現実的ではないとお考えください。時期には前後がありますので、11月になれば必ず空になると決めてかからず、出入りの様子を見ながら判断していただければ安心です。

冬に見つけたときの考え方

冬に見つけた巣は、蜂が出入りしているかどうかがまず手がかりになります。志木市のように、生活に支障のない場所にできた巣であれば、蜂の出入りが止まる冬までを見守りの区切りとして案内している自治体もあります。

もっとも、スズメバチについては扱いが自治体ごとに違い、見守り対象に含めるところもあれば、近づかず連絡するよう求めるところもあります。冬に見つけた巣でも、手を出したり取り外したりはせず、迷うようでしたらご相談ください。

四つを合わせて、相談か見守りかを決める

ここまでに集めた種類、巣の形と大きさ、できている場所、今の季節の四つを合わせると、この巣をどう扱うかは三つに分かれます。早めに相談する、見守る、判断がつかないので相談する、の三つです。

四つの手がかり 早めに相談する側 見守りを検討できる側
種類 スズメバチの疑いがある スズメバチ以外と分かっている
巣の形・大きさ 丸く育っていて蜂の数も増えている段階 作りはじめの形で、蜂の出入りが少ない
場所 玄関まわりなど毎日通る場所、巣が見えない場所 人があまり近付かず、生活に支障がない場所
季節 蜂の数が多くなる夏から秋 春先、または蜂の出入りが止まる冬

四つすべてが見守り側にそろったときだけ、見守るという選び方ができます。一つでも相談側に当てはまるなら相談へ、当てはまるかどうか分からない項目があるなら、それも相談へ回してください。

この条件に当てはまるなら、早めに相談する

次のいずれかに当てはまるなら、早めにご相談ください。

  • スズメバチの巣だと分かっている、またはその可能性がある
  • 家族や近隣の人がよく通る場所のそばにあり、気づかずに刺激してしまいそうな位置にある
  • すでに巣がかなり大きく育っている、蜂の出入りが多い
  • 高い位置にあって、確かめようとすると脚立などが必要になる
  • 壁の中や天井裏など、巣そのものが見えない

スズメバチについては、絶対にご自身で駆除せず市へ問い合わせるよう案内している市もあり、巣に近寄るだけで攻撃を仕掛けてくることがあるともされています。当社の現場でも、スズメバチは巣に近づいた人を威嚇したり巣を守るために攻撃したりすることがあり、特に巣が大きくなっている場合は、殺虫剤を使ったり巣を落としたりせず距離を取ることが大切だとお伝えしています。

高い位置の巣も同じです。屋根のひさし部分は雨や直射日光の影響を受けにくくスズメバチが巣を作ることがありますが、脚立などを使ってご自身で駆除しようとすると、蜂に襲われるだけでなく転落する危険もあります。相談へ進むと決まったあとの対応の選び方は、蜂の巣を自分で駆除するか業者に任せるかの分かれ目をまとめた記事でご確認いただけます。

見守るという選び方ができる条件

見守るという選び方ができるのは、暮らしの中で支障が出ておらず、人がふだん寄りつかない場所に巣があるときです。この二つは、複数の自治体が共通して見守りの条件に挙げているものでもあります。

当社の記事でも、そのままにしておける条件として、玄関や通路などの生活動線から離れていて巣に触れる機会がないことを挙げています。公的な案内と同じ考え方です。

逆に言えば、条件はこの二つだけです。巣が小さいから、蜂の数が少なそうだから、という理由だけで見守り側に置くことはしません。大きさで見守ってよいかどうかを決めることもできません。判断の軸になるのは、その巣が暮らしと重なっているかどうかです。

自分では決められないときの答え

四つの手がかりを当てはめても決められないときは、そこで止めてご相談ください。危険だと感じたときは、無理に見分けようとせず専門業者に任せていただくのが安全です。判断がつかないまま見守るのと、分からないから相談するのは、まったく別のことです。

当社は蜂の巣の駆除だけでなく、飛んできた1匹のご相談もお受けしています。写真が撮れないときは、電話で状況をお伝えいただくだけでも構いません。巣のそばまで寄って確かめる必要はありませんので、離れた位置から見えた範囲でお知らせいただければ十分です。

見守ると決めたあとの過ごし方

見守ると決めたら、見る期間と、判断を切り替える合図、そして巣の近くでの過ごし方を先に決めておきます。決めずに始めると、気になったときだけ見に行くことになり、かえって巣へ近づいてしまいます。

いつまで見るか、何が起きたら切り替えるか

見守る期間は、冬になって蜂が出入りしなくなるまでです。志木市もこの形で案内しています。終わりを決めておけば、途中で判断に迷いにくくなります。

その間に次のようなことが起きたら、見守りをやめて相談へ切り替えてください。

  • 巣が明らかに大きくなり、蜂の出入りが増えてきたとき
  • 巣の近くを通る機会が増えたとき(庭仕事を始めた、子どもが外で遊ぶようになったなど)
  • 巣のある場所が、来客や作業で人の通る動線に変わったとき
  • 暑い時期に入り、蜂の数が多くなってきたと感じたとき

市川市も、個体数が多くなり巣が大きくなった暑い時期は危険な場合があるとしています。見守ると決めたのは、あくまで「今の条件のもとで」であって、条件が変わればもう一度決め直すものだとお考えください。

見に行く間隔をあらかじめ決めておく必要はありません。離れた位置から、日常の中で目に入る範囲で様子が分かれば十分です。

家族への共有と、巣の近くでの過ごし方

見守ると決めたら、その巣があることを家族全員に伝えてください。近づかない、刺激しないという二つだけを共有しておけば十分です。巣の場所を知らない人がうっかり近づくことが、いちばん避けたい状況になります。

来客や、宅配・検針で敷地に入る方がその付近を通る可能性があるなら、その動線も確認しておきましょう。小さなお子さんがいるご家庭では、その場所で遊ばないことを伝えておいてください。

巣の近くへ出るときの服装にも気を配っていただければと思います。黒い服を着ているときや、香水・化粧品・整髪料など匂いの強いものを身に付けているときに刺されることが多いとされています。巣の近くを通る用事があるときは、黒っぽい服装と強い匂いを避けておくと安心です。

この巣についてよく聞かれること

判断の流れには入りませんが、ご相談の中で分かれ道になりやすい二つについて触れておきます。

市や区は蜂の巣を駆除してくれますか

お住まいの市区町村によって、対応はまったく違います。要件を満たせば市の委託した事業者が無料で駆除してくれる地域(船橋市やさいたま市)もあれば、スズメバチの巣の撤去に限って補助金が出る地域(新座市)もあります。補助金のある市では駆除の前に申請が必要とされている例があり、先に自分で業者へ依頼すると対象外になることがあるので、手続きの順番を先に確かめておくと安心です。

一方で、蜂の巣は土地や建物の所有者・管理者が対処するものとして、市では駆除を行わない地域(神戸市)もあります。この場合は、自分で駆除するか、費用を負担して業者へ依頼する形になります。業者を名指しで紹介せず、ペストコントロール協会の窓口を案内する市もありますので、まずはお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。

巣ではなく蜂が固まっているときは

巣らしいものが見えず、蜂が塊になっているときは、ミツバチの分蜂であることがあります。女王バチが新しい巣を作るために働きバチを連れて移動する途中で、街路樹や軒下などに集合して休憩している姿で、春頃に見られます。

ミツバチを駆除の対象としていない自治体もあり、分蜂の群れは数時間から数日で移動します。いたずらに刺激しなければ攻撃してくることはありませんので、塊を見つけても近づかず、そのまま待っていただくのが基本です。

見つけた蜂の巣について、今日決めること

集めた四つの手がかりを当てはめて、相談を急ぐか、そのまま見守るか、分からないので相談するかを、この場で決めてください。見守り側にすべてそろったときだけ見守り、一つでも外れるようなら相談へ回します。

どの結論を選んだ場合でも、見守る間も業者が来るまでの間も、巣に手を出さず距離を保つことが、刺されないための基本です。

相談へ進むと決まったら、次はその蜂の巣を自分で駆除するか任せるかを考える段階です。判断がつかないままの方は、写真や電話で状況をお伝えください。

参考・出典